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+ '08年06月25日(WED) ... 金銀Bその4 +

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こんにちは、びーこです。

拍手&♪、ありがとうございます。
24日13時Rさま>
いつもコメントをありがとうございます。
嬉しいです。

※※※
クラウドの母ストライフ夫人と、村長であるティファの父ロックハートが集会を終えて戻ってきた頃には、すでに日はとっぷりと暮れており一層ニブルヘイムの上空を覆う雲は不気味であった。
いったん自宅に戻り書き置いてあったティファからのメッセージを読んだのだろう。ロックハートはストライフ夫人と共にやってきた。
戻ってきた大人達の形相はすさまじいばかりだ。
その凄まじさにクラウドもティファも、やっと親が帰ってきてくれたのだと安堵することさえ出来ない。
二人はより一層身体をくっつけあう。
ティファの父ロックハートは、そんな子供二人の怯えにも構わずに、ずかずかと近づいてくるといきなり娘の腕をとった。
「帰るぞ」
「…っいやあ」
そのまま力ずくでティファの身体を引っ張り上げてしまう。
ティファを深く愛しているロックハートにしては、いつもと違いやり方が乱暴すぎる。
それはティファにも充分に伝わった。
彼女はいつもと違う父親の乱暴さに怯えを深くして、なんとか逃げようともがく。
彼女が助けを求めたのは、さっきまで共に恐怖から身を守っていた大切な少年だ。
「クラウド!」
幼なじみの少年の名を叫びつつ、ティファは抵抗をやめない。
この時ティファにとって絶対の味方であると、心底から無垢なる信頼を向けられたのは、いつもとは様子が違う父親ではなく、さっきまで共にあった少年しかいなかったのだ。
クラウドもそうだ。いつもならば村長であるロックハートに反抗などしない少年が、懸命にティファへと手を差し伸べようとする。
「クラウド…っ」
「私、クラウドと一緒にいる!」
どうにかして自分に差し出されているクラウドの手を取ろうと、ティファの抵抗は激しくなった。
この抵抗は単純なNOというものではない。
娘の必死さに頭に血が上っていたロックハートも驚く。
驚いてかえって冷静になったようだ。娘を拘束する力が抜けていった。
このタイミングを見計らいながら、ストライフ夫人が父娘の間に穏やかに割って入っていく。
幼なじみの少女に向かって、伸び上がりながら必死で手を差し出している息子の肩をそっと抱いて、
「村長さん。これから何かとお忙しいでしょうから、その間ティファちゃんはウチでお預かりするっていうのはどうでしょうか?」
美しい女性の柔らかな態度に、ロックハートも聞く耳を持つ。
「だが…それは…」
それでもやはり愛娘をそう簡単には手放せないもの。例えそれが隣家であったとしても。例えこれから村長として忙しくなる自分を考えると、ティファにとっても自分にとってもその方が都合良いのだと解っていても。
そんなロックハートの心中は、ストライフ夫人にとっては予想内であったのだろう。
彼女はあくまでも穏やかな物腰のままで、ロックハートを追いつめていく。
「村長さんには村のみんなを守ってもらわなくちゃいけません」
「家を留守にされることも多くなるでしょう」
「そんな時ティファちゃん一人では可哀想ですわ」
「――……」
その通りなのだ。
ストライフ夫人の言葉通りだ。
これからロックハートは村長としての責務を全うしなければならない。
「ティファちゃんの顔が見たくなったら、いつでもいらしてくださいね」
どうせお隣なんですから。そう言って微笑むストライフ夫人の美しい顔に、ロックハートは従うしかなかったのだ。
※※※
今回はここまで。


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