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+ '08年03月04日(TUE) ... ブッダという真理その10 +

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続きです。

***
元よりクラウドとて、求める答えが簡単に手にはいるとは思っていなかった。
天部や非天には人と同じ意味での寿命はない。
死も老いもあるが、時間はいくらでもある。
それにクラウドは待つのは嫌いではない。
「――解った。待とう」
素っ気なく返答だけをすると、クラウドは玉座にいるルーファウスに背中を向ける。
要件は終わったのだ。兜率宮にもう用はない。
足下にいた鵞鳥たちが名残惜しそうに啼きながら、羽根を広げて見送る。
ザックスも何か一言、と行動に移すよりも先に、ルーファウスが呼び止めた。
「阿修羅王よ――」
「いちいち答えを問いにくる度に、兜率天に攻め込まれては私が困る」
「お前は今日より天部となるが良い」
「神籍を用意しておこう」
意外な申し出にクラウドは足を止めて、玉座を振り仰ぐ。
聞いているザックスもかなり驚いてくらいの、それは破格の申し出であった。
阿修羅族は非天だ。そして地上では悪神と呼ばれる存在だ。
本来ならば兜率天に参上するのでさえ、厳しく規制されるのだ。
理と知の神王ルーファウスは、支配する者の傲慢さそのままに、何より規律を重んじる。
こうやって非天と直答するのでさえ、稀なのに――自ら然るべき神籍を与え天部の列に加えるとは。
――ナンか考えてんな。
ザックスのように好悪のみで動くルーファウスではない。
かれだけにしか解らない、きっと何かがあるに違いないが、残念ながらそれが何なのかザックスには不明だ。
――喰えねぇヤツだぜ、大梵天ってのは。
自分の対であるにも関わらず、ザックスはルーファウスの本性を知らない。
ザックスは真一文字に口を引き結ぶと、ルーファウスとクラウド双方を推し量った。
クラウドもクラウドなりに感じ取っているのだろう。
考えの足りない者ならば大喜びで受けるこの申し出にも、心を動かされているような様子はない。
全てを見通す青い瞳で、ルーファウスを見定めようとしている。
鋭いクラウドの眼差しにも、ルーファウスは動じていない。
足をゆっくりと組んで、クラウドに微笑みかけるのだ。
これでは拉致が空かないと悟ったのだろう。
「――オレは阿修羅王。非天だ」
この言葉を言い残して、クラウドは今度こそ足を止めることなく、兜率宮から去っていったのだ。
阿修羅王クラウドとの会見を終えたルーファウスは、自らの神王の権利を行使した。
よって阿修羅王は非天でありながら天部の籍を持つという、例外的な存在として兜率天では遇されることとなったのだ。

***
短いけどきりが良いのでここまで。

ホントに長くなってごめんなさい。
もうちょいで(次の次くらいで)セフィロスが登場します。


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