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+ '08年02月27日(WED) ... ブッダという真理その6 +

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続きです。

***
あの戦いの結末に、帝釈天ザックスによって、二人は始めて邂逅した。
兜率天の中心たる須弥山の高い頂に、兜率宮がある。
天井も床も、柱さえも玻璃で作られた広間に大梵天はいた。
それはクラウドが見たこともないような、神秘の光景である。
玻璃なのに向こう側は透けて見えない。だが光の屈折率は異様に高く、一の光を千にも増幅させて、広間全体を煌めくのだ。
つまりはその煌めきでさえ、大梵天の権威を象徴づけるものであった。
並の天部ならば煌めきに負けてしまい、眩しくて到底大梵天の姿など直視出来まい。
その上大梵天は煌めきの中心に静かに座しているだけなのに、とんでもなく神々しい存在となっているのだ。
数千年に渡る宿敵阿修羅王を迎えても、大梵天ルーファウスは静に玉座に座しているだけだった。
あるかなしかの笑みを含んでいるのは、いつものこと。
付き合いの長い対であるザックスには解っている。ルーファウスのこの表情は、無表情なのと同じであるということを。
つまりルーファウスは宿敵阿修羅王を、何の感慨もないままに、兜率宮に迎え入れているのだ。
敵に対する怒りもない。嘲りも嘲笑も、ましてや恐れすらもない。
神王たる大梵天ルーファウスとは、兜率天というシステムそのものであった。
兜率天というプログラムを緻密に計算して、実行にうつしていくという体制の要。
また兜率天というシステムアナリシスもやってのける。
武神ザックスとはまるで役割の違う神王なのだ。
玉座に座ったまま玻璃の煌めきに囲まれているルーファウスは、それだけで一個の芸術作品のよう。
ルーファウスに初めて対面した者は天部であろうと誰でも、穏やかではなくなってしまう。
無言の圧力に屈してしまい、負けないようにとことさら威圧的に振る舞うか、怯えて卑屈になってしまうか。
ルーファウスからは何もしない。
ただこの広間へと通して、黙して座っているだけで、相手の本質が暴露されるのを眺めているだけで。
今回もそうだった。
阿修羅王を前にしても、ルーファウスは静かに玉座に座して、黙っているだけ。
ザックスも、ルーファウス自身がクラウドの言い分に耳を傾けるかどうかについて、口を挟む気はないのだ。
そもそもルーファウスが、他人の〜例えそれが対たるザックスの言うことでも〜裏付けのない頼みに心を開くことなどない。
ルーファウスは彼自身の耳と目で情報を集め、それによって自分の頭で判断する。
またルーファウスに己を認めさせることが出来なければ、クラウドそれだけの男でしかなくなってしまう。彼の戦いの意味など、完全になくなってしまうのだ。

***
本日はここまで。
♪、毎回ありがとうございます。
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