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+ '08年01月22日(TUE) ... しょうこりもなくダブルパロその2 +

その夜から、毎夜の共寝は習慣となった。
セフィロスは夜ごとやってくるし、クラウドはそんなセフィロスの為にベッドに居場所をつくってやる。
一ヶ月も経つ頃になると、クラウドもセフィロスもくだらない建前をとるのはやめにした。
一回り以上大きなサイズのベッドを買い、二人は本格的にベッドを共にするようになる。
ただし、肉体関係はないままであったが。


クラウドがセフィロスを娶ってから二ヶ月が過ぎた頃、二人の姿はコレルにあった。
惑星コレル。鉱物資源が豊かである為、MHに関わる人々の中継点ともなっている。多くのヘッドライナーやMH整備士であるマイスター。優秀なMHを求める者たちが集まる場所なのだ。
二人はすぐにバレットの元へと向かう。
バレット・ウォーレス。星団に名を轟かせるMHマイスターの一人だ。
彼はコレルに己の工場を持ち、ずっとここに住んでいる。
腕はピカ一だが、なかなかに癖のある性格の持ち主で、クラウドも知り合った当初はかなりぶつかり合ったものだ。
バレットとしては、騎士なのにどこか頼りないクラウドを案じてのことであったが、自分の容姿が幼いのを気にしていた当時のクラウドにとっては、バレットの忠言は不必要な干渉でしかなかった。
もっとも付き合いが長くなるにつれ、バレットが本当は気の優しい男であると理解出来たのだが。
ティファが亡くなってからも、バレットにはアルテマのメンテナンスで世話になっている。
エトラムルをアルテマにつけてくれたのも、バレットだった。
そのこともあり、娶ったセフィロスをバレットに紹介をかねて、アルテマとセフィロスとの調整を頼もうとコレルにやってきたのだが、クラウドが予想していた通り、バレットとセフィロスの対面はあまり心地の良いものではなかったのだ。

予め連絡をいれておいた為、工場に到着した二人を出迎えてくれたのが、バレット本人であった。
浅黒い肌に刺青。頬には生々しい傷跡。何よりもその逞しい巨体。
バレットは外見だけで言えばマイスターには見えない。おまけに彼の片腕はギミックなのだ。
バレットは両腕を組んで、二人を待っていた。
アルテマを乗せているモーダーヘッド・キャリアから二人が出てくるのをじっと眺めている。
まずセフィロスがキャリアから現れた。彼は辺りを睥睨すると、いつものようにクラウドをエスコートしようと、手を差し出す。
これがまず、どうにも気に入らなかったらしい。バレットのただでさえ厳つい顔が、一層険しくなる。
クラウドは、と言うと、彼はセフィロスのエスコートを苦笑混じりに断って、ひらりと重さを感じさせない動きで地面に立つ。
そして、蒼い双眸はすぐに旧知の人物を捉え、
「バレットっ」
小走りに駆け寄った。
クラウドはその育ちからか、人見知りする方だ。対人関係には不器用で、哀しいくらいに素直になれないところがある。
そのクラウドが向けてくれる親愛に、バレットの険しい顔も一気に解れた。
「久しぶりだなあ、クラウド」
「連絡もせずに、すまなかった」
「いいや。お前さんが元気なら良いってことよ」
ギミックでない方の手が、クラウドの肩に置かれようとしたその瞬間、絶好のタイミングでその手を遮った者がいる。
言うまでもない、セフィロスだった。
セフィロスはバレットの手がクラウドの肩に届く寸前で、愛しいマスターの腰を引いて、位置をズラせたのだ。
空振りしそうになるバレットの手に向かって、フフンと冷笑を与えてから、これみよがしにクラウドの耳元に囁く。
「紹介してくれないか」
「あっ…ああ、そうだな」
と、空振りに終わったバレットもただで済ませるつもりはない。
売られたケンカは買う。出来れば倍返しだ。これがバレットの遣り方。
「クラウド――俺にも紹介してくれ」
セフィロスとバレットとの間に流れる不穏な空気が読めないほど、クラウドはバカではない。

***
今回はここまで


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